通信/ネットワーク

エムエスツデー 1999年12月号

計装豆知識

PROFIBUS(プロフィバス)印刷用PDFはこちら

フィールドバスの一種であるPROFIBUSは、1989年にドイツにて官民共同で開発され、ドイツ規格(DIN19245)になりました。さらに、1996年に欧州規格(EN50170)になり、1999年中にはIEC規格(IEC61158)として認定される予定です。また、ユーザーサポートについては、1989年にドイツでユーザー協会が設立され、1999年9月現在、世界中で24か国、961社が会員となり、約1700以上の対応製品が販売されています。これまでに200万ノードを超えるPROFIBUSネットワークが世界中で導入され、欧州では、約50%のマーケットシェアをもつと言われています。

PROFIBUSでは、ファクトリーオートメーション(FA)からプロセスオートメーション(PA)まで幅広くカバーするように、以下の3つのプロトコルを規定しています。

PROFIBUS-FMS(Fieldbus Message Specification):オブジェクト指向のモデルであり、PLC、DCS、PCなどのインテリジェントステーション間の通信に適用されるプロトコルです。

PROFIBUS-DP(Decentralized Periphery):リモートI/O、ドライブ等のフィールド装置とコントローラ間での高速データ伝送を可能にするプロトコルです。

PROFIBUS-PA(Process Automation):IEC1158-2で規定された物理層に防爆対策を適用し、通信ケーブルによって各ノードへの電力供給を可能にしたプロトコルです。

物理層の基本的な仕様は、以下のようになります。
 • 通信方式:ハイブリッド方式
 • 伝送速度:9.6kbps~12Mbps
 • 接続ノード数:最大126ノード
 • ユーザーデータ量:最大244Byte/1フレーム
 • トポロジー:バス、リング、トリー
 • ケーブル:STPケーブル、光ファイバ
 • コネクタ:RS-485
 • 伝送距離表1参照

表1 PROFIBUSの伝送速度と伝送距離 注)

伝送速度(kbps) 9.6 500 1500 3000 12000
伝送距離(m) 1200 400 200 200 100
注)リピータを使用すると距離を倍に延長することが可能で、リピータは最大9台まで使用することが可能です。すなわち、伝送速度12Mbpsでは1kmまでケーブルを延長することが可能です。

PROFIBUSの通信方式は、ネットワーク上に複数のマスタを接続し、それぞれのマスタの同時通信リクエストを制限するトークンパッシング方式と、マスタ/スレーブ通信方式を併用していることから、ハイブリッド方式と言われています。また、PROFIBUSには、ネットワーク上のノードの着脱が他のノードの通信に影響を与えることなく可能であるという特長があります。

PROFIBUSを使うことにより、オープン仕様でマルチベンダーシステムネットワークを構築することが可能です。各デバイスメーカーが、PROFIBUS仕様に規定されたDevice Profile(デバイスプロファイル)仕様をもとにデバイスを開発することにより、統一されたプロトコルで、いろいろな機能のデバイスが接続できることになるのです。

図1 リモートI/Oスーパーフレックス M9シリーズ PROFIBUS用

このデバイスプロファイルを記述したものをGSDファイルと呼びます。PROFIBUS機器ベンダーからは、機器に添えてこのGSDファイルが供給されます。ユーザーは、これを機器にインストールすることで、自分のアプリケーションソフトの中から容易にPROFIBUS機器を利用することができます。

PROFIBUSに接続できる製品の一例として、エム・システム技研のリモートI/OスーパーフレックスM9シリーズを図1に示します。

【原稿提供者 伊元 雅彦:日本プロフィバス協会】


ページトップへ戻る