通信/ネットワーク

エムエスツデー 2008年12月号

計装豆知識

MECHATROLINK-II印刷用PDFはこちら

1.MECHATROLINKの概要

オープンネットワークMECHATROLINKの推進団体としては、2003年に現在の前身組織であるMECHATROLINK MEMBERS CLUB(略称:MMC)が発足しました。2005年にはMECHATROLINKをよりオープン化することを目的としてMECHATROLINK協会(略称:MMA)がスタートし、現在に至ります。MMAの会員数は2008年9月現在302社、累積出荷ノード数は70万ノードに達しています。MECHATROLINK協会の幹事会メンバーは、横河電機、オムロン、デジタル、安川情報システム、安川電機から構成されています。

MECHATROLINKは1995年にオープン化されたモーション制御用フィールドバスです。開発当初の伝送速度は4Mbpsでしたが、その後モーションコマンドの整備とともに、伝送速度を10Mbpsに拡張し、現在はMECHATROLINK-IIに対応した製品が主流になっています。

MECHATROLINKはSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格のネットワークであり、E54.19(センサバス規格)として制定されています。

半導体・液晶製造装置で多くの採用実績があります。

2.MECHATROLINKのメリット

MECHATROLINK-IIのターゲットとする領域は、モーションを中心としたフィールドネットワークです。製造装置や生産ラインに使用されるマスタ機器とスレーブ機器をすべて1本のケーブルで接続することができます(図1)。

図1 MECHATROLINK のシステム構成

図2 リモートI / O R7 シリーズMECAHTROLINKが接続できるスレーブ機器には、サーボドライブ、インバータ、ステッピングモータ、スライダ、I/O、温調器などがあります(図2にMECHATROLINK-IIに対応した製品例として、エム・システム技研のリモートI/O R7シリーズを示します)。従来、モーションネットとI/Oネットの2種類のネットワークを1つの装置の中に配線していた場合でも、MECHATROLINKを使用することで、1つの配線に統合することが可能になります。そうすることで、マスタCPU側におけるモジュールの削減や、配線ケーブルの種類の削減ができ、装置の組み立て工数や、コストを低減できます。

また、システムの変更にも容易に対応できるため、スレーブ機器の追加や変更も自由に行えます。

3.MECHATROLINK-IIの仕様

MECHATROLINK-IIの伝送仕様を説明します(表1)。

表1 MECHATROLINK-II 伝送仕様

機能仕様 MECHATROLINK-II
 物 理 層  MECHATROLINK-II
 通信方式  マスタ・スレーブ方式
 通信スピード  10Mbps
 伝送周期  250μs~8ms
 トポロジ  バス接続
 伝送距離  50m(リピータ使用時:100m)
 最小局間距離  50cm
 ケーブル  2芯STP(専用ケーブル)
 最大接続局数  マスタ:1  スレーブ:30
 通信データ長  17byte/32byte
 エラーコレクション  CRC/ASICによるリトライ

MECHATROLINK-IIのマスタからのコマンドと、スレーブからのレスポンスを交互に行うことで、確実な通信を行います。また、パケット内のCRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)をASICが監視し、異常があった場合にはASICが自動的にリトライ処理を行うので信頼性が非常に高い伝送路です(図3)。

図3 通信プロトコルイメージ

MECHATROLINK協会:
〒358-8555 埼玉県入間市上藤沢480番地
TEL :04-2962-7920
e-mail :mma@mechatrolink.org
URL :www.mechatrolink.org

MMAロゴ
【原稿提供:MECHATROLINK協会】

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