通信/ネットワーク

エムエスツデー 2006年10月号

計装豆知識

DNS(Domain Name System)印刷用PDFはこちら

今日、計装の世界においてもWebブラウザを利用した遠隔監視や電子メールによる異常通報など、インターネットの利用が広く普及してきました。また、会社案内や製品情報などについても、印刷物ではなくホームページで見る機会が多くなってきています。
インターネットでは、必要な情報を提供するコンピュータがわからなくても、検索サイトからホームページを検索することによって、必要な情報を取得することが可能です。
インターネットを支える技術として「DNS(Domain Name System)」はなくてはならないものです。

DNSとは

ホームページの住所としてWebブラウザに入力したり、ホームページの中に埋め込まれているリンク先は「www.m-system.co.jp」というような文字列です。しかし、インターネットの通信基盤であるTCP/IP注1)の世界では、「192.168.0.1」というように表記される32ビットの2進数です。コンピュータにとっては扱いやすい名前ですが、利用者にとっては扱いづらいものです。そのため、両者を変換する仕組みとしてDNSが誕生しました。

DNSは、特定のサーバにドメイン名とIPアドレス注2)の対応情報を蓄積し、必要に応じてドメイン名からIPアドレスを取得する(名前解決(Name Resolution)の)仕組みです。

また、情報を蓄積し、問合せに回答するサーバのことを「ネームサーバ」と呼びます。

名 前 解 決

図1は名前解決の具体的手順を示しています。Webブラウザに組み込まれた「リゾルバ」というプログラムがネームサーバに問合せを行い、IPアドレスを特定するまでの手順を表しています注3)

図1

ドメイン名の構造

ドメイン名は木を逆さにした構造になっていて、一番上の「ルート」(“”で表現されます)を頂点に、トップレベルドメイン(TLD)、セカンドレベルドメイン(SLD)・・と下の階層へと広がっていきます。このような階層構造を取ることで、インターネット上のすべてのドメイン名が固有のものになります(図2参照)。

図2


図2(1): 国別コードが入り、日本であれば「jp」というように2文字で表現します。ただし、米国だけは国名を省略し、組織の属性を3文字で表現しています。たとえば、「com」や「org」などがそうです。


図2(2):組織の属性を2文字で表記します。「co」は、株式会社などの企業を示す属性です。


図2(3):重複しない限り、組織名など任意の文字列が使用できます。


図2(4):コンピュータ名を表します。任意の文字列が使用できます。下記の名前がよく用いられます。
• www:Webサーバ
• pop(またはpop3):メールサーバ

注1)TCP/IP:『エムエスツデー』誌2002年2月号 「計装豆知識」参照。
注2)IPアドレス:『エムエスツデー』誌2005年7月 号「計装豆知識」参照。
注3)ただし、毎回ルートネームサーバを起点に反復 的な問合せを行うわけではなく、各ネームサーバは1度取得した情報を一定期間保持しておくことで、問合せの時間を短縮しています。

【(株)エム・システム技研 開発部】

ページトップへ戻る