通信/ネットワーク

エムエスツデー 2002年05月号

計装豆知識

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「一般電話回線」とは、現在もっとも普及率が高い、アナログ伝送方式の固定電話網を指します。一般電話回線は、300~3400Hz のアナログ信号波形を伝送するように設計されていて、音声信号による通話はもちろんのこと、FAXやテレメータ装置などデジタル信号のデータ通信にも広く用いられています。

一般電話回線でデータ通信を行う場合は、送信側でデジタル信号をいったん変調してアナログ信号化し、受信側では逆にアナログ信号をデジタル信号に復調します。そのための変調、復調装置が「モデム(Modulator and Demodulator )」です。モデムには、変調速度が最大60キロビット/秒程度の製品もありますが、一般電話回線によるデータ通信速度は、むしろ交換機から先の電気通信事業者の伝送設備で決まります。たとえば、NTTで保証している一般電話回線の伝送速度は最大4.8キロビット/秒までです。

表1 DTMFマトリックス(単位:Hz)

電話接続の方法にはダイヤルパルス方式と、トーン発信方式がありますが、最近はほとんどがトーン発信方式(いわゆる、ピ、ポ、パ)です。DTMF(Dual Tone MultiFrequency) とはこのトーン発信を意味し、高低2群の周波数の選択組合せによって、英数文字や記号を伝送します(表1参照)。

少し古い情報ですが、参考文献に記載されている一般電話回線の利用料金例をご参考までに表2表3に示します。これらのデータはしばしば変更されますので、最新のサービス内容および料金の詳細は、各通信事業者にお問い合わせください。

表2 加入契約時の費用および月額使用料金(2000年9月11日現在)

(NTT東日本・西日本)             (1回線ごとに)

契約時に必要な費用 加入電話の種類 施設設置負担金 契約料
単独電話 72,000円 800円

区    分 契約者回線
などの数
単独電話
事務用 住宅用
回線使用料 1級局 50,000未満 2,300円 1,450円
2級局 50,000以上
400,000未満
2,450円 1,600円
3級局 400,000以上 2,600円 1,750円
屋内配線使用料 60円
機器使用料(通常の電話機) 180円

注:の料金は、買取り方式で利用する場合は無料となる。

表3 ダイヤル通話料(2000年9月11日現在)

  NTT東日本
NTT西日本
NTT
コミュニケー
ションズ
DDI
日本テレコム
TTNet*1 QTNet
課金方式 10円で話せる秒数 9円で話せる秒数 9円(30Kmまで)10円(31km超)で話せる秒数
区域内通話 180 (180) <240>   90 (90) <120> 180 (180) <225> 180 (180) <225>




隣接
区域内
90 (90) <120> 90 (90) <120> 90 (90) <120> 90 (90) <120>
20km
まで
30km
まで
45 (45) <60> 45 (45) <60> 60 (60) <75> 90 (90) <90>
60km
まで
36 (36) <60> 45 (45) <60> 45 (60) <75> 60 (60) <90> 60 (60) <90>
100km
まで
22.5 (30) <45> 26 (45) <45> 26 (45) <60> 36 (45) <60> 36 (45) <60>
160km
まで
20 (22.5) <30> 20 (26) <36> 20 (26) <45> 26 (30) <45> 26 (30) <45>
170km
まで
170km
20 (26) <36> 26 (30) <36>

*1:”隣接区域内”、”20kmまで”で、90秒を超える通話の場合の単位料金は7.2円
*2: ( )内は夜間(午後7時~午後11時)および土日祝の昼間、< >内は深夜・早朝(午後11時~翌朝午前8時)

エム・システム技研では、一般回線を利用する各種テレメータ製品を販売しています。代表的な製品であり、モデムを使用して通信を行うMsysNetテレメータの構成を図1に示します。

図1 MsysNetテレメータの構成例

<参考文献>
「新情報通信早わかり講座」(日経BP社)
「情報通信ハンドブック」(情報通信総合研究所)

MsysNetは、エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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