エムエスツデー 2002年09月号

計装豆知識

避雷器の応答時間印刷用PDFはこちら

この時期、澄み渡った大空にムクムクと成長する入道雲は、大自然の雄大さを感じさせ、見るものに感動を与えてくれます。しかし同時に、入道雲は恐ろしい雷害の根源であり、いつも電子機器を破壊しようと狙っています。設備関係の皆様、はたして雷対策は万全でしょうか!

電子機器への雷害

図1 線間破壊と放電破壊

誘導雷によってケーブルに加わる雷サージは、具体的には電子機器の線間にV1、線~接地間にV2・V3として現れます(図1)。V1は線間破壊として電子回路の破壊を、V2・V3は放電破壊として絶縁破壊を引き起こします。特にV1による線間破壊は、近年電子部品がますます小形化し、サージ電圧に対して弱くなっているため深刻です。短時間でもサージが加わると、電子回路は破壊してしまいます。このため、応答性に優れた避雷器を設置し、瞬時にサージの侵入を防ぐことが肝心です。

避雷器の応答性

図2 線間の応答性、図3 線~接地間の応答性

そこで、エム・システム技研製避雷器の応答時間について説明します。エム・システム技研では、避雷器の応答時間を、『雷サージが加わってから、避雷器が放電を開始するまでの時間』と定義し、応答時間の測定は、幅1μsの電圧矩形波を印加して行っています。具体的には、避雷器の端子電圧が下がったときを放電開始とし、そこまでの経過時間を測定します。一例として出荷実績が豊富な「電子機器専用避雷器(形式:MDP-24-1)」について、その応答性を紹介しましょう。図2に線間の応答性を、図3に線~接地間の応答性を示します。線間の場合、電圧が加わった瞬間に端子電圧は下がっていて、応答時間はゼロともいえる高速応答性を示しています。線~接地間の場合、電圧が加わってから4ns経過後に端子電圧は下がっていて、nsオーダーの高速応答性を示しています。

近年、避雷器メーカーの中には、応答時間数nsをセールスポイントにしているところが見られますが、エム・システム技研製避雷器の応答時間も実力はns級ですから、瞬時にサージの侵入を防ぎ、電子機器を保護することができます。

 

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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