エムエスツデー 2017年7月号

お客様訪問記

IoTシステムの導入によりリモートメンテナンスで省力化を、
エネルギー使用量の見える化で省エネを実現!
フィード・ワン(株)様の新築プラント用IoTシステムに
ご採用いただいたリモートI/O避雷器

(株)エム・システム技研 システム技術グループ

 今回は2017年3月に国内最大級規模の水産飼料生産工場を新築竣工された、フィード・ワン(株)北九州工場を訪問し、同工場の生産設備プラントの制御・監視システムにご採用いただいたリモートI/O避雷器について、フィード・ワン(株)の髙原工場長および岡様、並びに同工場の元請けとして工場の建設から設備納入などの全体を担当されたOMC(株)の松下様、そして制御・監視システム全体を構築するとともに、制御盤の納入をされた(株)別川製作所の樫野様にお話を伺いました。

最新の設備でIoT化された工場を新築

 [エム・システム技研、以下エムと略称]本システムを導入された経緯をお聞かせください。

 [髙原工場長]フィード・ワン(株)は畜産・水産用の配合飼料の製造販売を行っており、今回の新工場建設に当たっては国内でナンバーワンの水産飼料工場を目指しました。飼料販売においても、同業他社との厳しい競争に打ち勝つため、コストダウンを行う必要がありました。このため、新工場では最新のIoT化を実現する設備を採用し、省力化できるシステムの導入を行いました。また、省エネを実現するため、できるだけ多くの電力データの収集を実施しました。

通信ネットワークにて集中監視を実現

 [エム]設備の概要についてお聞かせください。

 [松下様]水産飼料の製造設備は、大きく分けて、原料受入設備、配合設備、加工設備、ペレット設備、製品包装設備があり、写真(「フィード・ワン(株)のご紹介」欄参照)に示すような製品を作っています。前に髙原工場長がお話しされたように省力化を実現するに当たり、各設備間をEthernetケーブルで接続し、重要設備の近くにアクセスポイントを設置しました。これにより、タブレットにて設備の近くでデータを確認できるシステムが実現できました。各設備の通信幹線、および重要機器には雷サージから諸々の機器を保護する避雷器を設置することにし、部品の選定を含め制御・監視システムを(株)別川製作所に依頼しました。

フィード・ワン(株)様の新築プラント用IoTシステムにご採用いただいたリモートI/Oと避雷器 システム構成図
フィード・ワン(株)様の新築プラント用IoTシステムにご採用いただいた
リモートI/Oと避雷器 システム構成図 [拡大図

エム・システム技研のリモートI/O、避雷器を使用し制御盤をコンパクトに

 [エム]システムの構成についてお聞かせください。

 [樫野様]本システムでは、それぞれの設備のデータ収集、制御のためにPLCを6台使用しています。また、上位監視システムとしては(株)別川製作所のオリジナル監視ソフトを使用しています。各設備との間の制御ネットワークは、CC-Link IEフィールドネットワークを採用し、電気室からの電力データ収集には、CC-Linkを採用しました。ネットワーク用避雷器は、全てエム・システム技研の製品を使用しました。エム・システム技研はとくにネットワーク用の避雷器のラインアップが豊富で、CC-Link、CC-Link IE用については唯一のメーカーです。また、電力、電流計測用のCC-Link用リモートI/O、および電力マルチメータは従来から標準採用しており、本システムでは電力計測を28系統、電流計測を68系統使用しています。また、エネルギー使用量の見える化を行うとともに、省エネを実現すべく、デマンド制御も行っています。

IoTシステムの導入によりリモートメンテナンスを実現

 [樫野様]設備やシステムに何か問題が起こったとき即座に対応できるように、インターネット経由で(株)別川製作所の本社とOMC(株)の本社から、システムの状態確認やリモートメンテナンスができる仕組みも作っています。

 [エム]運用されていかがでしょうか。

 [岡様]フィード・ワン(株)の北九州工場は去る4月に運用を開始したばかりですが、移動しながら担当者がタブレットで設備の状態監視、操作などができる点が大きな省力化に繋がっていると実感しています。前にも話があったとおり、本工場は国内最大規模の水産飼料工場ですが、他工場に比べて少ない人数で運用を始めています。また、設備・システムに何か支障があった際にリモートにて設備メーカーとシステムメーカーに状況を確認してもらえる仕組みも、安心して運用できる要因になっています。

 [エム]今後のご予定などについてお聞かせください。

 [髙原工場長]水産飼料の出荷は10月がピークとなり、それまでに省力、省エネで設備の運用を行う仕組みを確立したいと考えています。エネルギーの見える化の仕組みも導入したので、計測したデータを基に省エネを行うとともに、設備の効率的な運用を行っていきます。

 [エム]本日はお忙しい中をありがとうございました。今後ともエム・システム技研をよろしくお願いします。

採用された製品のご紹介

生産設備 の各生産工程の制御盤にエム・システム技研のリモートI/Oとネットワーク用避雷器を多数ご使用いただきました。

  • リモートI/O
    R7シリーズ

    リモートI/O R7シリーズ R7C

    形式 R7C

    通信部、電源部、入出力部が一体となった手のひらサイズの経済的なリモートI/Oです。

  • 8回路入力
    電力マルチユニット

    8回路入力 電力マルチユニット R9CWTU

    形式 R9CWTU

    各種電力要素を演算し、CC-Link通信で出力するリモートI/Oです。
    最大で8回路を入力でき経済的です。

  • 電力マルチメータ

    電力マルチメータ 54UC

    形式 54UC

    各種電力要素を演算し、液晶で表示するマルチメータです。
    アナログ信号、警報接点とCC-Link通信で出力します。

  • 避雷機能付
    8ポートスイッチングハブ

    避雷機能付 8ポートスイッチングハブ SHSP

    形式 SHSP

    避雷機能を内蔵した Ethernet用スイッチングハブです。

  • CC-Link Ver.1.10/2.00 対応
    CC-Link 用避雷器

    CC-Link Ver.1.10/2.00 対応 CC-Link 用避雷器 MDW5-CC

    形式 MDW5-CC

    CC-Link協会認定の避雷器です。
    JIS C5381-21カテゴリC1、C2、D1に準拠しています。

  • RS-485/422用
    避雷器

    RS-485/422用 避雷器 MDP-4R

    形式 MDP-4R

    RS-485/422用の避雷器です。
    JIS C5381-21カテゴリC1、C2に準拠しています。

  • Ethernet用
    避雷器

    Ethernet用避雷器 MDCAT

    形式 MDCAT

    PoE/PoE Plus/10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応のEthernet 用避雷器です。
    JIS C5381-21カテゴリC1、C2に準拠しています。

  • CC-Link IEフィールドネットワーク用
    避雷器

    CC-Link IEフィールドネットワーク用避雷器 MDCAT-NC

    形式 MDCAT-NC

    CC-Link IE フィールドネットワークの推奨避雷器です。
    JIS C5381-21カテゴリC1、C2に準拠しています。

フィード・ワン(株)のご紹介

鯛養殖用飼料 フィード・ワン(株)は、日本配合飼料(株)と協同飼料(株)が統合して設立されました。全国に15箇所の生産工場を有し、畜産・水産用の配合飼料の製造販売を行っており、畜産用飼料は全農に次ぐ国内シェア第2位、養魚用飼料でも高いシェアを持っています。
今回新設した北九州工場は、水産飼料の専用製造工場で、年間8万〜9万トンを生産できる国内最大規模の工場であり、国内のみならず海外への輸出販売拡大が期待されています。

フィード・ワン(株)北九州工場

OMC(株)のご紹介

OMC(株)は、愛知県名古屋市中区に本社を置き、食品、飼料、環境関連機器および設備の設計、製造、FAシステム開発に1世紀にわたり携わってきたプラントエンジニアリング企業です。明治43年の創業以来、「食」を切り口として成長し、国内の飼料、肥料メーカと信頼関係を築き、同社施工で稼働中の工場や製造機械は、全国に広まっています。
今回のフィード・ワン(株)北九州工場については、元請けとして受注し、建物の建設からプラント設計、システム立ち上げからアフターフォローに至るまでを請け負われました。

本システムについての照会先:
(株)別川製作所
〒924-0838 石川県白山市八束穂(やつかほ)1丁目5番地
TEL:076-274-5901 FAX:076-274-5919
システム営業部 樫野 勇治 様


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