エムエスツデー 2009年11月号

お客様訪問記

電力監視システムに採用された
MSRproおよびメール通報装置

(株)エム・システム技研 カスタマセンター システム技術グループ

 今回は、塗料メーカー向けに電力監視システムをご導入いただいた(株)三鈴エリー社を訪問しました。

 同社は、三重県四日市市に本社を置き、電気事業・計装制御事業・情報システム事業・電子システム事業・検査装置事業を複合的に経営する総合ソリューションサービス会社です。

 このたび、電力監視システムとして、監視・記録ソフトウェアのPCレコーダソフトウェアMSRpro(形式:MSR2K-V5およびデマンド監視ソフトウェアのMSRecoMSR2K-V5に含まれている)をリモートI/O R3シリーズ電力マルチカード(形式:R3-WTUなどと組み合わせてご採用のうえご納入いただきました(図1)。

図1 システム構成図

 このシステムについて、同社の中部事業本部 電気技術部 技術1グループの向出 長史 様と片山 利行 様にお話を伺いました。

 [エム・システム技研、以下エムと略称]ご採用いただいた経緯をお教えください。

 [向出]今回、塗料メーカー(株)中国塗料様から、工場内にある2箇所の変電所内の系統別消費電力を、事務所において監視するシステムについて引き合いをいただきました。

 塗料の製造工程では、攪拌機やヒータ、ポンプなどのエネルギー源として電力が多く使用されています。各系統毎の消費電力を把握し、省エネにつなげるためのデータ収集が目的であり、自社開発品である総合エネルギー監視システムでまず検討しましたが、今回は監視項目が電力に限られていたため、コストパフォーマンスを考え、社外品のシステムで検討し直すことにしました。

 監視システムを手掛けられているメーカー数社に声を掛け、提示いただいたシステムの中で、エム・システム技研の電力監視システムが条件として最適な製品であると考えられ、お客様にご提案した結果、ご採用いただく運びとなりました。

 電力計測用I/Oユニットとしては、電力マルチカードR3-WTU)を使用しました。

 R3-WTUは1台で2回路分の電力計測ができるうえ、各回路に対しコンフィギュレータソフトウェア(形式:R3CONを使って、取り込みたい電力関係の測定要素を任意に設定できます(今回は、電流、瞬時電力、電力量の3要素を設定)。

 また、電源電流信号を取り込むために、貫通形のCTに代わる分割式の専用クランプ式交流電流センサ(形式:CLSEが使えたため、電源線の取り外しを行うことなく取り付けることができました。このお陰で工事の工数を大幅に下げることができ、お客様にとっても大きなメリットになりました。

 また、既設設備には漏電警報装置が設置されていて、この漏電警報装置から出力される接点信号も、接点入力カード(形式:R3-DA16を使って取り込み、電力デマンドと合わせて監視しています。

 デマンド警報や漏電警報が発生した場合は、担当者の携帯電話へ異常通報としてEメールで知らせるようにしたいというご要求があり、接点出力カード(形式:R3-DC16から一旦警報として接点信号を出力させ、その信号を今度はWebロガー(形式:TL2W-ER2、Ethernet接続対応 I/O外付けタイプ)に取り込ませ、TL2W-ER2の機能の一つであるEメール通報機能を利用して構内LANを介してメールサーバへ送り、各担当者の携帯電話に配信させるようにしました。

図2 監視画面

 Eメール通報は、その警報毎に通報させる相手を選択設定できるのも便利ですね。

 [エム]監視ソフトウェアについてはいかがですか。

 [片山]監視ソフトウェアの設定に関しては、ビルダソフトウェアMSRpro−BuilderによってI/Oユニットで取り込んだ信号を各グループのペンに設定登録すれば、トレンド画面やグラフィック画面などで表示させたい場所に、登録したペン番号を割り付けるだけでよいので、ソフトウェア構築自体にはそれほど難しいところはありませんでした。

 また、ソフトウェア構築中にはI/Oユニットがまだ納入されていない状況でしたが、ソフトウェア自体にデモ動作を行える仕組みを備えているため、帳票データなどの動作確認ができたのが良かったです。

 また、エム・システム技研のサポート体制は充実していて、事前のソフトウェア構築時や現場での運転調整時には、カスタマセンターの方に様々なサポートをしていただき非常に助かりました。

図3 盤内に設置されたリモート I/O

 [エム]今後のご予定はいかがですか。

 [向出]現在は、導入して間もないため、お客様がこれからデータの蓄積をされ、それを基に省エネへの活用を目指されているところです。

 電力監視したい電源系統はまだ残っているため、将来を見据えて容易に増設ができるように、リモートI/Oのベースに空きスロットをあらかじめ設けています(図3)。

 また、消費電力が外気温の変化によってどのように影響されるかも見たいとのご要望が出ているため、温度信号の取り込みも追加計画する予定です。

 エム・システム技研の電力監視システムは、セットアップした後でもお客様が比較的容易に増設設定できるため、省エネを目的に電力監視をお考えになられている他のお客様へも積極的にご提案して行きたいと考えています。

 [エム]本日はお忙しい中ありがとうございました。
 今後ともエム・システム技研をよろしくお願いします。

本稿のシステムについての照会先:
株式会社三鈴エリー 中部事業本部 電気技術部 技術1グループ
〒510-0886 三重県四日市市日永東3丁目8番13号
TEL.059-345-8953 FAX.059-349-0120
http://www.misuzuerie.co.jp/index.html

MSRproMSRecoは(株)エム・システム技研の登録商標です。


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