エムエスツデー 2009年5月号

Interface & Network News 2
No.32

CC-Link対応ミニトップの紙パルプ工場でのご採用例

 エム・システム技研の電子式アクチュエータ「ミニトップシリーズ(形式:MSP4MSP5MSP6MRP4MRP5MRP6)」は、高分解能(1/1000)、高速応答(10mm/5秒、90°/7秒)、高信頼性などの特長を有し、各種プロセス産業用装置、空調設備、食品工場、半導体工場など、幅広い分野でご採用いただいています。

図1 CC-Link通信機能付きミニトップ また近年のオープンフィールドネットワークの時代に対応して、ミニトップシリーズにはCC-Link注1)、DeviceNet注2)通信への対応モデルもラインアップに揃えています。

 ここではCC-Link通信対応のミニトップ(形式:MRP4C図1)が(株)小林製作所製「オクトパスストックアプローチシステム」に組み込まれ、ある紙パルプ工場に導入された例についてご紹介します。

 「オクトパスストックアプローチシステム」は近年導入され始めた新しい製紙用装置であり、抄紙の幅方向の坪量プロファイル注3) の均一調整が容易にできるという特長を備えています。図2に「オクトパスストックアプローチシステム」の概要を示します。紙の原料は原料分配室からホースで抄紙機のヘッドボックスに送られます(ホースの数は、抄紙機の大きさに対応して一般に45~90本使用されます)。幅方向の坪量調整は、希釈水の流量を制御することによって行われます。

図2 オクトパスストックアプローチシステム((株)小林製作所製)

 このたびは、この「オクトパスストックアプローチシステム」内で希釈水の流量制御弁(主にVポート形ボール弁)と併用するバルブアクチュエータとして、CC-Link通信機能付きミニトップ(形式:MRP4C)をご採用いただき、すでに実用されています。

 ご採用いただいた主な理由は2つ挙げられます。まず第1は、ミニトップが備えている高分解能(1/1000)および高速応答(10mm/5秒、90°/7秒)特性です。また第2は、通信ネットワークシステム中で使用できるため、従来のアナログ信号(DC4~20mA)伝送システムに比較して大幅な省配線が実現でき、システムのトータルコストを大きく削減できる点です(図3参照)。

図3 ネットワークを利用した省配線システム

 このような特長をもつMRP4Cが組み込まれた「オクトパスストックアプローチシステム」は、すでに、ある紙パルプ工場に納入・設置され順調に稼働し、高いご評価とご満足をいただいています。

注1)CC-Linkについては『エムエスツデー』誌2000年2月号および2005年2月号の「計装豆知識」をご参照ください。
注2)DeviceNetについては『エムエスツデー』誌2000年1月号の「計装豆知識」をご参照ください。
注3)坪量(つぼりょう)プロファイル:紙および板紙の重量を表示するとき、1平方メートル当たりの紙1枚の重さをグラムで表したものを坪量といい、幅方向の坪量プロファイルとは、抄紙機から吐き出される紙匹(しひつ:帯状の紙)の流れに対する直角方向の坪量の分布のことをいいます。

本稿についての照会先:
 (株)エム・システム技研 営業推進部 TEL:06-6659-8200

 
 「オクトパスストックアプローチシステム」について:
 (株)小林製作所 http://www.kobayashieng.co.jp/

ミニトップは(株)エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 営業推進部】


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