エムエスツデー 2009年3月号

Interface & Network News 2
No.30

SCADALINXproで
WAVファイルのアラーム音を鳴らす方法

 エム・システム技研のHMI統合パッケージソフトウェアSCADALINXpro(形式:SSPRO4は、SCADA/HMIシステムを構築するための高機能なソフトウェアです。このソフトウェアを使用した設備監視システムで、よくお使いいただく機能としてアラーム機能があります。この機能を構築されるお客様から、アラーム発生時に音を鳴らす方法について、お問い合わせをいただくことがしばしばあります。そこで今回は、アラーム発生時にWAVファイル注1)のアラーム音声を鳴らす方法をご紹介します。

SCADALINXproのアラーム機能の概要

 アラーム機能とは、リモートI/OやPLCから収集した信号値に基づいてアラームの発生状況を監視し、検出したアラーム情報をサマリや履歴などの様式で画面に表示する機能です注2)

図1 アラーム機能の概要

 SCADALINXproのサーバアプリケーションであるSCADALINXpro Serverが、リモートI/OやPLCと通信して信号値を取得します。取得した信号値を、アラームマスタに登録したアラーム発生条件と比較して、アラーム発生の有無を判定します。アラームが発生すると、アラーム情報ファイルにアラームログを記録します(図1)。アラーム情報を表示するのは、SCADALINXpro Browserの画面です(図2)。

図2 アラームの表示例

アラーム発生時に音声を鳴らす

 SCADALINXproで音声を鳴らすには、WAVファイルを再生します。画面を作成するときに、WAVファイルを再生するための画面部品(サウンドコントロール)を使用すると、音声を鳴らすことができます。SCADALINXproのCD-ROMに付属のサンプルに、チャイム音などのWAVファイルがいくつか付属しています。お客様の方で、音声メッセージのWAVファイルをご用意いただければ、任意の音声メッセージを鳴らすこともできます。
 アラームが発生すると、監視画面のアラーム表示機能で、アラーム検知のイベント(On Alarm Notificationイベント)が発生します。アラーム検知のイベントが発生したときに、WAVファイルを再生するように監視画面を作りこめば、アラーム発生時に音が鳴ります。
 アラーム発生時に単一の共通アラーム音を鳴らすだけではなく、アラームの種類別に異なる音声を鳴らすこともできます。アラームマスタに設定するアラーム定義に識別番号を登録して、音声ファイルを再生するときに識別番号に対応するWAVファイルを再生すれば、アラーム別の音声を鳴らすことができます。
 以上のように、アラーム機能とWAVファイルの音声を再生する機能を組み合わせることで、個々のアラームに対応する音声を鳴らすことができます。アラームの種類に応じてアラーム音を変えたり、アラームを通知する音声メッセージを切り替えるなどの応用が可能です。

注1)Windowsで標準的に使われるサウンドデータのファイル形式です。WAVEファイル、WAVEサウンドファイルなどとも呼ばれます。
注2)詳細については『エムエスツデー』誌2007年9月号の「高機能版SCADALINXSCADALINXpro」の応用(2) −アラーム−」をご参照ください。

本稿についての照会先:
 (株)エム・システム技研
 カスタマセンター システム技術グループ TEL:06-6659-8200

SCADALINXおよびSCADALINXproは(株)エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研カスタマセンター システム技術グループ】


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