エムエスツデー 2008年8月号

Interface & Network News 2
No.23

新消費電力監視システム
− 電力マルチカード、電力マルチメータおよびSCADALINXproを利用した電力デマンド監視 −

 今回は、消費電力監視システムの新製品として、リモートI/O R3シリーズ用の電力マルチカード(形式:R3-WTU電力マルチメータ(形式:53U54U)および上位の高機能HMIソフトウェアSCADALINXpro(形式:SSPRO4を利用した電力デマンド監視システムについてご紹介します(図1参照)。

図1 システム構成例

電力マルチカード(R3-WTU)

 リモートI/O R3シリーズは、豊富なI/Oカードを自由に実装して各種信号のPCへの取り込みを可能にするものであり、電力用のカードだけでなく、温度、流量、圧力などあらゆる計測信号に対応できます。さらに新製品として、R3シリーズ用の電力マルチカードR3-WTU)をラインアップしました。この製品は、1枚のカードで2系統の電力計測が可能であり、各相の電流・電圧はもちろん、有効電力量(積算電力量)、有効電力(瞬時電力)、無効電力量、無効電力、周波数、力率が計測でき、さらに2次から31次までの高調波含有率も計測できます。

 最近、高調波を原因とするサーバ故障やUPS故障が話題になっています。高調波による機器故障は、短時間に壊れることは希であり、長期間、高調波を受け続けることによって故障するケースが多いのが実情です。また、高調波は力率改善のために導入した進相コンデンサなどにも影響を与え、とくに影響が大きい場合には焼損、火災を引き起こす恐れもあります。予防保全、故障予知などファシリティーマネージメントにおいてR3-WTUは高調波を安価に計測できる強い味方になります。

図2 クランプ式交流電流センサ(形式:CLSE) センサとして専用のクランプ式交流電流センサ(形式:CLSE図2参照)を使用されれば、設備を運転している状態でキュービクルや分電盤への設置工事が可能です。なお、CTの2次側が開放されても安全を確保するため出力クランプ素子を内蔵、また最大600Aまでの測定が可能です。

電力マルチメータ(形式:53U/54U)

図3 電力マルチメータ(形式:54U) パネル埋込形の電力マルチメータ53U54U図3参照)も用意しています。盤面での監視には53U54Uのご採用を推奨します。

ソフトウェア

 従来から、消費電力監視システムのソフトウェアとして、MSRproMSRecoを用意しています。デマンド監視画面や末端の電力まで記録・解析できるソフトウェアであり、完全パッケージ化されているため、複雑なプログラミングは不要です。

 さらに、高機能HMIソフトウェアSCADALINXproを利用して新たにデマンド監視ができるようになりました(図4参照)。デマンド監視専用のサンプル画面も用意しています。必要に応じて、別途お問い合わせください。

図4 デマンド監視画面

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 以上ご説明したようにエム・システム技研の新消費電力監視システムをご採用いただければ、安価で全体に統一のとれたシステムを実現できます。ぜひ、ご検討をお願いします。

本稿についての照会先:
(株)エム・システム技研
システム技術部 シス技1課(関西支店) TEL:06-6446-0040
システム技術部 シス技2課(関東支店) TEL:045-227-7366

MSRpro、MSRecoは、(株)エム・システム技研の登録商標であり、SCADALINXproは商標登録出願中です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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