エムエスツデー 2008年5月号

Interface & Network News 2
No.20

SS無線を使用する
テレメータ「D3シリーズ」のご紹介

 エム・システム技研のテレメータ「D3シリーズ」は、配線および保守のしやすさを実現するとともに、豊富な種類の入出力カードを取り揃え、お客様からご好評をいただいている製品です。今回は、D3シリーズの新製品である「SS無線に対応するテレメータ用のモデムインタフェースカード(形式:D3-LR1」をご紹介します。

SS無線とは?

 SS無線とは、スペクトラム拡散(Spread Spectrum)方式の無線方式であり、データ信号を搬送する電波を広い周波数上に拡散させて送信する通信方式です。この方式では、信号が広帯域に拡散しており、送信出力が電力密度(特定小電力無線の場合:10mW/MHz以下)で規定されているために、実効的な送信出力を大きくすることができます。したがって、SS無線には「雑音、妨害に強い」、「秘話性が高い」などの特長があり、データ通信に適した無線通信方式として、広く応用されています。

 エム・システム技研の無線データ通信モデム(形式:RMD2は、429MHz帯を使用していて、海岸のような見通しの良いところで約3km、田園地帯のような比較的開けたところで約1200m、山間部や都市部のような見通しの悪いところでは約500mの無線通信が可能です。また、特定小電力タイプの無線であるため、無線局設置の許認可が不要で通信料金も不要です。

SS無線を使用したテレメータ「D3シリーズ」構成例

 無線データ通信モデムRMD2)対応のモデムインタフェースカードD3-LR1)を使用した構成例をご紹介します(図1)。D3-LR1は、1対1の無線通信を実現するモデムインタフェースカードです。D3シリーズのI/O機器と組み合わせることによって、SS無線を利用したデータ通信を実現します。

図1 システム構成例

 D3シリーズ機器の実装方法について、簡単にご説明します。第1スロットに実装された入力カードのデータは、相手局の第1スロットに実装される出力カードに出力し、第2スロットからは相手局の第2スロットに出力します。同様に第10スロットからは、相手局の第10スロットに出力します。このため、入力カードの場合には相手局の対応スロットに出力カードが、出力カードの場合には相手局の対応スロットに入力カードが実装されていなければなりません。また、上位通信カードであるModbus用 通信カード(形式:D3-NE1D3-NM1)と組み合わせることによって、パソコンやPLCへのデータ通信も可能になります。

 なお、D3-LR1はリピータ機能ももっているため、1対の入出力カードでSS無線通信が実現できない場合には、最大4台までの中継局を設置して対応することが可能です。リピータ局として使用する場合には、I/Oカードは実装できません。リピータ局の機器構成は、D3-LR1(電源付)になります。

 このようにリピータ機能を利用することによって、遠距離のため通信できなかった用途にも対応できるようになりました。

 今後も、お客様からのご要望にお応えして、機能の追加、充実を図っていきたいと考えています。ご愛顧のほどよろしくお願いします。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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