エムエスツデー 2006年7月号

Interface & Network News 2
No.3

PCレコーダ総合支援パッケージ(MSRPAC-2006)
− 新機能の紹介とアプリケーション例 −

 今回は、新発売した「PCレコーダ総合支援パッケージ(形式:MSRPAC-2006」に含まれるPCレコーダソフトMSR128-V5)とその新機能を利用したアプリケーション例についてご紹介します。

MSRPAC-2006

 PCレコーダソフトMSR128)は、Windowsパソコンを用いた工業用記録計用のソフトウェアとして製品化し、お客様にご提供して参りました。

 このたび、従来からの諸機能に加えて、リモートI/O R3シリーズ のパルス入力カードその他への対応、そのほかのご要望にお応えした新機能を追加し、PCレコーダ総合支援パッケージMSRPAC-2006)に含めて発売しました。R3シリーズの入力カードへの対応については、「積算パルス入力カード(形式:R3-PA16」、「高速パルス積算入力カード(形式:R3-PA4A)」、「高速パルス入力カード(形式:R3-PA4」、「電力入力カード(形式:R3-WT4」に新しく対応しました。この対応により、電力使用量の監視や R3シリーズ 機器によるパルス入力の収録が可能になります。その他の追加機能については次項にご紹介します。

MSR128-V5の便利な新機能

 (1)CSV自動ファイル出力機能

 今回のバージョンアップによって追加した機能の一つである、自動CSVファイル出力機能を使ったアプリケーション例をご紹介します。

 自動CSVファイル出力機能とは、PCレコーダソフトMSR128-V5)で収録したデータをCSVファイル形式に自動変換し、指定フォルダに保存する機能です。

 CSVファイルのデータ更新がリアルタイムで行われるため、お客様によるオリジナルな編集がより便利に行えるようになりました。

 今回は、Excel のマクロ機能を使用して、タンクの温度監視を行うアプリケーション例をご紹介します。アプリケーションの構成図を図1に示します。

 まず、タンクの各部に取り付けられた温度センサとPCレコーダのI/O機器「直流/熱電対入力ユニット(形式:R1M-GH2」とを接続します。また、パソコンにインストールしたPCレコーダソフトMSR128-V5)によって、R1M-GH2 からのデータを収録します。同時に、自動CSVファイル出力設定を有効にします。

 次に、Excelのマクロ機能を使用し、MSR128-V5 によって自動作成されたCSVファイルから、最新の瞬時値データを抽出するワークシートを作成します。

 抽出した値を温度条件によって色分けし、Excel画面上のタンクに色をつけます。自動更新する場合には、タイマを使用します。一定時間の経過に伴うタンク内の温度変化を視覚的に監視することができます注)(ただし、パソコンの処理能力にもよりますが、処理間隔が短い場合には、MSR128-V5の収録処理に影響を及ぼす恐れがあります。また、自動作成されるCSVファイルの更新間隔はシステムに依存しますから、十分ご配慮の上、設計してください)。

 今回Excelのマクロ機能を使用した理由としては、アプリケーション作成専用の設備を必要としないこと、インターネット上にマクロ機能の様々なサンプルが掲載されていて、参考にできることなどが挙げられます。

図1 システム構成図

 (2)その他の追加機能

 今回ご紹介した機能以外にも、主として以下の新機能を追加しました。

 • Ethernetを経由し、「チャートレス記録計(形式:73VR3000」が収録中のデータをリアルタイムに別途収録する機能

 • パスワード設定により、各種設定ボタン操作の有効、無効が切り換えられる操作制限機能

 • トリガ連動収録機能

注)CSVファイルへの書き込みは行わないでください。

【(株)エム・システム技研 開発部】


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