エムエスツデー 2006年6月号

Interface & Network News 2
No.2

SCADALINX HMIのアプリケーション(2)
− 社内ネットワークを利用したデータの遠隔監視 −

 先月に続き、「SCADALINX HMI(形式:SSDLX」のアプリケーション例をご紹介します。今回は、気象データの監視用に、SSDLXリモートI/O R5シリーズの組合せシステムが採用された例です

システム概要

 本システムの導入目的は、ある製造業の現場(事業所)において気象データ(温度、湿度、風速、風向)を測定し、事業所内ならびにそこから数十キロ離れた本社でリアルタイムに測定データを監視することにあります。
 以下に本システムの概要について説明します(図1参照)。

 (1)事業所側のシステム構成:  

 事業所には、気象観測用の温/湿度計、風速/風向計が設置されていて、測定データはアナログの連続信号(DC4~20mA)として出力されます。

 この信号をリモートI/O装置(代表形式:R5シリーズ)の電流入力カードで取り込み、Modbus/TCP通信経由でSSDLXのサーバソフトが搭載されたPCに収集します。

 このPCは、SSDLXのクライアントも兼ねていて、Webブラウザ(IE:インターネットエクスプローラ)を通して各種の標準画面を使っての監視が可能です。

 また、事業所内のもう1箇所(守衛室)にも、SSDLXのクライアント用PCが設置されていて、こちらからも同じデータを監視できます。

 (2)本社側のシステム構成:

 本社側には、SSDLXのクライアント用PCが設置されています。このPCは、後述する社内LANを経由して事業所側にあるSSDLXのサーバソフトが搭載されたPCに接続されていますから、Webブラウザを通して、事業所側と同じデータをリアルタイムに監視することができます。

 (3)社内LAN:

 事業所と本社は、数十km離れています。この間は専用の高速デジタル回線で接続され、社内LANが構築されています。したがって、事業所と本社の間では、高速で信頼性の高いTCP/IP通信を行うことができます。

図1 システム構成図

本システム採用のポイント

  本システムをご採用いただいた主なポイントは次のとおりです。


 (1) 社内LANを利用した、データの遠隔監視が可能であること(SSDLXのサーバ/クライアント構成を利用)。


 (2)SSDLXに標準装備されているトレンド画面が使いやすいこと。


 (3)システムのコストパフォーマンスが高いこと(必要な機能をもつシステムを経済的に構築できる)。
 SSDLXを中心に構成されたこのシステムは、お客様から高い評価をいただいています。

SCADALINX は、エム・システム技研の登録商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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