エムエスツデー 2009年5月号

ホットライン日記

ホットライン お問合せ

ホットライン日記 2009年5月

Question

工場の製造ラインにおいてよく瞬停があります。そして復電時に動力系統機器(モータなど)が同時に立ち上がると起動電流が重なり、発変電設備に容量不足が生じます。これを防ぐため、復電時に動力系統機器の再起動時刻を分散させることができる機器はありますか。

Answer

瞬停処理シーケンサ(形式:19RDがあります。19RDは瞬停を検知し再起動時間(復電後再起動するまでの時間)を調整・設定することができます。動力系統機器毎に再起動時間を設定し順次自動再起動させることによって、発変電設備に容量不足が生じるのを防止します。なお、「瞬停」と判断する停電時間は、停電から復電までを0.1~6秒の間で設定できます。また、再起動時間としては短時間タイプ(0~9秒)と長時間タイプ(1~60秒)の2種類があります。このように、瞬停時間設定機能によって瞬停か停電かを判断し、瞬停時にだけ時間差をもって再起動を行います。【井上】

図1

Question

流量計の温度・圧力補正を実施するために3入力デジタル式演算変換器(形式:JFK)を選定中です。ただし、流量計としては差圧式流量計ではなく超音波流量計を使っているため流量計からの信号はリニア信号です。その場合、演算式の係数はどのように決められますか。

Answer

3入力デジタル式演算変換器(形式:JFK)で付加コード(演算式)「/ 4:乗算と除算」の製品をご使用ください。演算式は式1で表され、各係数算出の考え方は下記のとおりです。

式1

(1)K1 =スケール換算係数
 入力と出力のレンジが同じ場合:K1=1、A1=0
(2)圧力補正項
 圧力伝送器のレンジ:0~980kPa
 流量計の設計圧力:686kPa
 K2=980 /(686+101.3)=1.245
 A2=101.3 /(686+101.3)=0.1287=12.87(%)
(3)温度補正項
 温度変換器のレンジ:0~400℃
 流量計の設計温度300℃の場合:
 K3=(400−0)/(300+273.14)=0.698
 A3=(0+273.14)/(300+273.14)=0.4766=47.66(%)
各係数については、ご注文時に「仕様伺書」にてご指定ください。【河原】

図2

Question

既設の機器を省エネルギータイプの機器に更新する工事を行いたいのですが、更新の有効性を確認するため、更新前後の消費電力のデータを比較したいと考えています。これを実現できるよい方法はありませんか。

Answer

PCレコーダソフトウェアMSRproVer.5(形式:MSR2K-V5のアクティブトレンド機能の利用をご提案します。電力信号を取り込むため、計測ポイントにリモートI/O R3シリーズ電力入力カード(4回路、形式:R3-WT4電力入力カード(4回路、クランプ式交流電流センサCLSA用、形式:R3-WT4A)を設置し、更新前のデータを収集します。更新後、再度データを取り込むときに更新前のデータと重ねてデータを収集することによって、両トレンド画面の直接比較が可能になり、更新前の電力値からどれくらい削減できているかを確認できます。【林】

図3

Question

熱電対を使って温度測定をしています。次回の温度測定システム更新に際しては、センサから直接入力して現場盤でデジタル表示またはバーグラフ表示を行いながら、パソコンでもデータを収集し、帳票出力も行いたいと考えています。これを実現できるよい方法はありませんか。

Answer

チャートレス記録計73VRシリーズの採用をご提案します。73VRシリーズでは、「収録方法」を「表示のみ」に設定すると表示器として使用できます。この場合、CFカードは不要です。熱電対信号を直接入力でき、Ethernet接続も可能です。1画面に最大16データをデジタル表示でき、バーグラフ表示機能も備えています。さらに、LANケーブルでパソコンと接続し、PCレコーダソフトウェアMSRproVer.5(形式:MSR2K-V5を使用することによって、監視・記録が行えます。73VRシリーズには、73VR1100シリーズ(入出力機器分離形)、73VR2100シリーズ(入出力一体形)、73VR3100シリーズ(入力カード選択形)といった3種類のタイプがありますが、12点までの入力であれば、73VR2100シリーズ(形式:73VR2112によって対応できます。点数が12点を超える場合には、73VR3100シリーズをご使用いただくか、または73VR2100シリーズを複数ご使用ください。【野田こ】

MSRproは(株)エム・システム技研の登録商標です。

図4


ページトップへ戻る