エムエスツデー 2006年12月号

PCレコーダの納入実例
No.16

大型ショッピングセンターの電力監視に採用された
PCレコーダソフトウェアMSRpro(エムエスアールプロ)

 PCレコーダの納入事例として、今回は、ある大型ショッピングセンターに採用されたクライアント/サーバ形 PCレコーダソフトウェアMSRpro(形式:MSR2K-V3)についてご紹介します。

電力監視の目的

 • ショッピングセンターの空調、照明、IT機器などの使用に伴う電力消費量を把握する。

 • 各テナントごとの電力使用量の日報・月報を自動作成する。

ポイント

 • 常時監視を行う担当者がいないため、メンテナンスフリーでデータ保存ができること。

 • 必要に応じてCSVファイルへの出力が可能であり、提出用資料の作成が容易であること。

 • 各種装置の稼働実績が簡単に比較でき、省電力の目的に使用できること。

システムの構成と構築

 大型ショッピングセンターでは、電力消費量の収集ポイントが広域に分散しているため、各ポイントごとの収集点数は少ないとしても、ネットワークの規模は大きくなります。

 今回は、データを1箇所で集中監視するために、リモートI/O  R3シリーズ を使用しました。

 消費電力量(パルス信号)の取り込みには、積算パルス入力カード(形式:R3-PA16を使用し、空調管理用の温度入力には測温抵抗体入力カード(形式:R3-RS4を使用しました。積算パルス入力カードは停電時のデータバックアップ機能も標準装備しているため、電力監視用として非常に有効です。

 Modbus用 通信カード(形式:R3-NM1は通信線としてツイストペアケーブルを使用しているため、Ethernetケーブルに比べて簡単に安価なシステムを構築できます。

 また、今後の設備追加に際しても、R3シリーズは既設カードへの入力の追加はもちろん、新規カードの追加および通信カードを含む R3シリーズ一式の増設も簡単に行うことができるため、簡単かつ柔軟なシステム構築が可能です。

 なお MSRpro は帳票機能をもっているため、帳票作成ソフトウェア(MSR2K-CR)をインストールすれば簡単に帳票が作成できます。日報には、積算差分注)、瞬時値以外に、1時間当たりの平均値、最大値、最小値も表示可能です。

 日報、月報、年報の帳票には既定のフォーマットを使用しますが、日付や天候、検印欄を1ページ目に印刷することが可能です。

図1 システム構成図

結 果

 MSRpro はエンジニアリングが不要であり、設定操作だけで稼働するため、極めて短い期間にシステムを構築することができました。

 このシステムでは温度計測も同時に行っているため、外気温と室温の温度差データに着目して、効率的に電気が使用されているかどうかの詳細まで把握でき、ご満足いただいています。

 今後は、内部演算機能を活用し、電力量から使用電気料金を算出して請求することなども検討しています。

注)積算差分:1時間前の積算カウント値と 毎正時の積算カウント値の差(1時間の積算カウント値)

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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