エムエスツデー 2006年11月号

PCレコーダの納入実例
No.15

病院の手術設備で電流監視に採用された
PCレコーダソフトウェア MSRpro(エムエスアールプロ)

 今回は、ある総合病院の手術室に設置された設備で消費電流測定用として採用されたクライアント/サーバ形PCレコーダソフトウェアMSRpro(形式:MSR2K)についてご紹介します。

図1 手術室での使用風景

 手術室で使われている医療機具には、大きい電流を消費する機器が多数あります。手術室には約50点にものぼる機器が使用されていて、手術の内容や手術室を使用中か否かにより、それぞれの機器が消費する電流値は変化します。

 それぞれのケースでどのくらい電流が消費されているのか、各系統ごとおよび手術室全体の消費電流の合計値も併せて記録し、その結果を節電対策に使いたいというご要望がありました。

 なお、測定装置はすべての手術室に常設するのではなく、1つの測定装置を手術室ごとに順番に移設して、一定期間データを収録したいとのことでした。そのため、動力線を切断することなく設置できるクランプ式交流電流センサ(形式:CLSB-10、0~100A用)とリモートI/O R3シリーズ交流電流入力カード(形式:R3-CT8Bの組合せをご採用いただきました。R3シリーズは省スペース設計であるため、約50点の電流値の取り込みにも10スロット用ベース(W280×H135mm)1台で対応できました。測定したい手術室にパソコンとR3シリーズを持ち込み、使用しています(図1図2)。

図2 システム構成図

 ソフトウェアにMSRproをご採用いただいた理由は、各医療機具の消費電流測定だけでなく、手術室全体の合計消費電流も測定するためです。MSRproには演算機能があり、合計消費電流と各医療機具の電流値を同じトレンド画面で表示することが可能です(図3は加算機能の設定画面)。

図3 演算詳細設定画面(加算機能)

 収録した過去のデータについては、日時を指定してチャート表示することができます。なお、CSVファイルに変換して、出力することもできるため、収集後のデータをExcelで解析することが可能です。Excelで整理・解析した結果をそのまま学会で発表する資料に使えると、この点も大変気に入っていただきました。

 今回、MSRproの導入によって、手術に使われている医療機具の消費電流に比べ、手術室での照明用消費電流がかなり大きいことがわかり、手術室を使用しない場合は、室内の電気の半分を消すルールを採用することによって、電気代が大幅に節約できたそうです。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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