エムエスツデー 2006年10月号

PCレコーダの納入実例
No.14

食品工場の温度管理に採用された
チャートレス記録計とPCレコーダ

 PCレコーダの納入実例として、今回はある食品工場の工程管理用に導入されたチャートレス記録計(形式:73VR3000と、それに使用されているPCレコーダソフトMSR128-V5および帳票作成支援ソフトMSRDB2-V5についてご紹介します。

 この食品工場では、これまでは打点式記録計で温度データを記録されていました。また、帳票は記録計のデータを読みとって手書きで作成されていたため、手間がかからずパソコンでデータを記録し、自動的に帳票が作成できる装置を導入したいとのご要望がありました。記録の対象は、原料タンクの水位データおよび調合用食品タンクの温度データです。

 工場内には数々のタンクがあり、従来はタンクごとに記録計を設置されていたため、メンテナンスも容易ではなく、記録計のインク詰まりやインク切れ、紙詰まりや紙切れなどへの対応が必要でした。

 記録計をペーパーレスタイプに変更されたことによって、消耗品の購入費や人件費などメンテナンスのためのランニングコストがほとんど不要になりました。

 記録計を上記のようにリプレースされた結果、タンク脇の73VR3000でいつでもリアルタイムにデータを見ることはもちろん、従来設置の打点式記録計にはなかった、アラーム履歴画面やオーバービュー画面(図1参照)が用意されているため、現場担当者はアラーム履歴画面で異常の履歴を確認したり、オーバービュー画面で監視点数すべての状態を一目で把握することができ、非常に便利になったといわれています。

図1 73VR3000の画面の種類

 さらに、今回とくにご評価いただいた点は、事務所のパソコンで、工場内の現場タンクの水位データおよび温度データを担当課長が容易に見られるようになったことです。

 チャートレス記録計の本体にはEthernet接続用のコネクタを用意してあるため、工場内のタンク側からLANを利用して数百メートル離れた事務所のパソコンまでつなぐことによって、遠隔監視が可能になりました(システム構成は、図2参照)。

図2 システム構成図

 パソコンでは、PCレコーダソフトMSR128-V5)を起動することによって、現場の状況をリアルタイムに一括監視することができます。

 帳票は、帳票作成支援ソフトMSRDB2-V5)で作成しています。日報、月報、年報の各帳票を作成するための帳票作成支援ソフトにより、PCレコーダソフトMSR128-V5)で収録したデータファイルを自動的に読み出し、帳票データに加工し、データベースへ保存します。保存したデータを使い、自動出力設定によって、前日分の日報や前月分の月報などを自動的に印字出力(図3参照)したり、ファイル出力することもできます。

図3 印刷フォーマット例

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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