エムエスツデー 2006年2月号

PCレコーダの納入実例
No.9

現場の異常監視モニタとして採用されたPCレコーダ

 今回は、工場現場で異常監視モニタ用として採用されたPCレコーダの事例をご紹介します。

 工場現場における記録計の一般的な用途は、温度、圧力、流量 その他のプロセス信号を収集し、記録紙などに記録することです。しかし今回は、データ記録が主目的ではなく、動力設備の異常監視モニタ用としての需要です。ご採用いただいた工場では、従来は動力設備の異常監視は、中央にあるDCSで集中監視されていました。この既設DCSのモニタ画面は、アナログ8点までしか表示できないため、100点を超える信号を監視する必要がある場合(たとえば異常発生時には)、画面切り替えを行い、監視したい対象があるページに移動する必要がありました。

 今回ご採用いただいたPCレコーダソフト(MSR128-V4)は、汎用のチャート記録計を強く意識した画面構成になっています。それだけでなく、記録画面以外にもチャート記録計では実現することができない、パソコンレコーダならではの機能をいくつか装備しています。

 その中の一つにオーバービュー画面(図1)があります。オーバービュー画面では、PCレコーダで収集可能な最大128点の入力信号を1画面で表示することができます。各チャネルにはペン設定の項目が設けられていて、それぞれに警報設定値を4点まで設定することができ、異常発生時のバーグラフの表示色をそれぞれ指定することができます。この色分けをすべてのペンについて統一しておくことにより、オーバービュー画面によって128点の異常状況を一目で認識することができます。

図1 オーバービュー画面

 また、発生した警報は、タイムスタンプ付きでアラーム履歴画面(図2)に保存されていますから、この画面の過去データを参照することにより、異常発生時の状態解析を容易に行うことができます。

図2 アラーム履歴画面

 このようにオーバービュー画面、アラーム履歴画面と組み合わせてご使用いただければ、記録用としてだけでなく現場での異常監視モニタの目的でPCレコーダをご利用いただけます。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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