エムエスツデー 2005年12月号

PCレコーダの納入実例
No.8

PCレコーダによる太陽光発電システムのデータ収集

 今回は、PCレコーダが太陽光発電システム試験データの収集に採用された事例をご紹介します。

 お客様は太陽光発電システムのメーカーで、このたび新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究事業として実施される試験運転における各種新形発電システムのデータ収集用にご採用いただきました。試験期間が1年間に限定されており、かつあまり予算が取れないことから、PCレコーダであれば安価に構成できるのではないか、というご発想から、お引き合いをいただきました。

 対象とされている太陽光発電システムは、昼間に太陽電池で発電し、蓄積した電力を使用して、夜間にネオン広告塔を点灯させるという内容です。

 測定対象データは、太陽電池で発電した電力量、ネオン広告塔で使用する電力量、日中の太陽光の強度と外気温度です。

 ここで、今回の試験運転で発電・消費する電力量を測定することは当然ですが、太陽光強度と気温を測定するのは、本件は補助金を伴ったNEDOとの共同研究として実施するものであり、その実施細則中に含まれた項目だからです。

 また、太陽光発電システムで発電する電力は直流ですが、ネオン広告塔で使用する電力は交流です。この部分は、DC-ACコンバータを使用して直流/交流の変換を行っていて、これらの直流と交流それぞれの電力量もエム・システム技研の電力トランスデューサ(形式:LTWT)を使用して、得られたデータをPCレコーダに取り込みました。

 今回のPCレコーダを使ったシステムの構成を図1に示します。発電システムで発電した電力量、消費した電力量、日射計で測定した日中の太陽光強度、および温度計で測定した外気温度などのデータを、直流/熱電対入力ユニット(形式:R1M-GH)を使用して管理用パソコンに取り込みます。管理用パソコンにインストールしたPCレコーダソフト(MSR128-V4)によって、発電量、太陽光強度などの変化をリアルタイムに確認することができるのはもちろんのこと、帳票作成支援ソフト(MSRDB2-V4)を使用し、毎時間ごとの積算発電量、積算消費電力量を集計し、定時刻に日報としてプリントアウトします。これらのデータをCSV・HTML形式でファイルに出力し、Excelなどのアプリケーションソフトでデータを加工できることをご評価いただき、ご採用いただきました。

図1 PCレコーダによる太陽光発電システムのデータ収集

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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