エムエスツデー 2011年1月号

カンパニーアウトライン

Vol.5 お客様の「ニーズ」に対応した「信頼性」の高い製品を提供します。
製品の形式試験 京都テクノセンター

 京都テクノセンターには品質保証部 信頼性試験課があり、エム・システム技研からリリースされる製品全機種の形式試験を行っています。新製品はもちろんのこと、発売中の製品に関しても、改良その他もろもろの事情によって発生する設計変更品など、様々な場面で製品の形式試験が必要です。京都テクノセンターでは、これらすべての形式試験を担当し、製品の信頼性を確認しています。

京都テクノセンター

京都テクノセンターで実施している「製品の形式試験」

性能試験 製品仕様を満たすかを確認する試験

 「直線性」「電源変動」「温度ドリフト」などがあり、主に製品仕様書の
 記載項目である性能の確認試験です。

信頼性試験 製品仕様を超える過酷な環境条件やソフトウェアによる設定組合せを想定した試験

 「電源ON/OFF」「過大入力」「連続過負荷」などがあります。
  たとえば「電源ON/OFF」試験は低温および高温時
  (設置仕様が−5℃~55℃の場合は−15℃と65℃)に、
  それぞれの温度にて100回以上の電源ON/OFFを行い、
  製品が正常に起動することを確認します。

EMC試験 CEマーキング(EMC指令)や耐ノイズ性の確認を目的とした試験

電波暗室シールドルーム

試験規格は総数 90!

計測室 「性能試験」と「信頼性試験」については、エム・システム技研にて独自の試験規格を制定しています。様々な形式試験に合格した製品のみが、お客様へ提供されます。

 

 

 

 

製品の信頼性を維持するために活動しています。

 新製品を評価する際、製品の信頼性の確認はもちろん、加えてお客様のニーズに対応しているかを含めて確認しています。形式試験規格や試験仕様書といった社内規程に基づく試験はもちろん、「本当にこの仕様でお客様にご満足いただけるのか?」という点も含めて、製品を評価しています。その結果、形式試験の段階において当初の仕様から変更(改善)される、という状況は稀ではありません。

 また、現在出荷されている製品の信頼性の確認として、出荷台数の多い製品を中心に抜き取り、チェックを行ったり、機能追加や部品の統廃合により内部構成回路(部品)が変更された場合にも、その変更による影響を十分考慮し、評価しています。

様々な形式試験があります。

 では、製品の信頼性を維持するための形式試験には、どのような試験があるのでしょうか?

 京都テクノセンターで実施している形式試験を大別すると、「性能試験」「信頼性試験」「EMC試験」の3つの試験になります。

 「性能試験」と「信頼性試験」については、エム・システム技研にて独自の試験規格を制定しており、その試験規格は総数約90に及びます。これらの試験規格から、製品の仕様や変更内容に応じて必要な規格を選定し、評価します。

 このように様々な形式試験に合格した製品のみが、お客様へ提供されます。

京都テクノセンターでEMC試験を迅速に行います。

 形式試験の中に「EMC試験」があります。京都テクノセンターを開設する以前、「EMC試験」は第三者試験機関に委託していましたが、試験機関は混み合うことが多く、試験完了までに膨大な時間がかかるという問題、製品の省電力化、小形化が進むにつれて耐ノイズ性や電波障害に起因するトラブルの発生が懸念されることもあり、より多くの条件を想定した試験を行う必要が出てきました。

 このような経緯から、エム・システム技研は信頼性の高い新製品を短期間でリリースすることを目的とし、電波暗室、シールドルームといったEMC試験設備を備えた京都テクノセンターを開設しました。なお、京都テクノセンターでは、エム・システム技研製品がEMC指令で要求されているすべての試験について対応可能です。

 このように京都テクノセンターでは、様々な形式試験を実施し、そのための各種試験機、設備を取り揃えています。中でも電波暗室、シールドルームとそれに付随する試験設備などは、エム・システム技研製品の信頼性向上に大いに貢献するものと確信しています。

 エム・システム技研は、今回ご紹介した京都テクノセンターの活動を今後も継続し、お客様の「ニーズ」に対応した「信頼性」の高い製品の提供に努めたいと考えています。

EMC指令で要求される試験

参照規格 基本規格 名  称 エム・システム技研
での試験場所
EN61000-6-2 IEC61000-4-2 静電放電イミュニティ試験 シールドルーム
IEC61000-4-3 放射、無線周波数、電磁界イミュニティ試験 電波暗室
IEC61000-4-4 電気的ファストトランジェント/
バーストイミュニティ試験
シールドルーム
IEC61000-4-5 サージイミュニティ試験 シールドルーム
IEC61000-4-6 無線周波数界で誘導された
伝導妨害に対するイミュニティ
シールドルーム
IEC61000-4-11 電圧ディップ、停電
及び電圧変動イミュニティ試験
シールドルーム
EN61000-6-4 CISPR16-2-3 エンクロージャポート−開放区域試験場所
又は半無響法
電波暗室
CISPR16-2-1 低電圧交流電源ポート シールドルーム
CISPR16-1-2
CISPR22 電気通信/回路網ポート シールドルーム

EMCについて
 EMC(Electro Magnetic Compatibility):電磁環境両立性。EMIとEMSの総称。
 EMI(Electro Magnetic Interference):電磁障害。Emission。他の機器に電磁的な影響を与えること。
 EMS(Electro Magnetic Susceptibility):電磁感受性。Immunity。他の機器から電磁的に影響を受けること。


ページトップへ戻る