エムエスツデー 2015年10月号

アプリケーション紹介

こんな変換器ご存じですか(その1)

機種 運転時間積算変換器 形式 MWK

運転時間積算変換器 形式:MWK / 基本価格:30,000円・ オプション仕様により加算があります。

 ポンプ、コンプレッサ、電動機、発電機など各種動力機器の予知・予防保全については、それらの機器の稼働状況をあらかじめ考慮して定期点検の周期を決め、点検作業や消耗部品の交換などを行うのが一般的です。
 この場合、対象とする動力機器が連続運転される場合や、決められたスケジュールに沿って運転される場合は、それらの積算稼働時間は比較的正確に把握できるのですが、たとえばビルやマンションの給水ポンプやマンホールポンプなどのように、変動する消費量や水位によって自動的に起動/停止するポンプや、タンクの圧力によって起動/停止を不規則に繰り返すコンプレッサなどについては、積算稼働時間を正確に把握することが難しいため、安全を考慮して必要以上の短周期で定期点検を実施しがちです。

 最新のビルや工場では、設備がコンピュータで一括管理されているため、設置されている各動力機器の稼働時間も管理ポイントになっている場合が多いようですが、古いビルや小規模な施設では、運転時間管理ができていない場合が多いのが実状です。
 エム・システム技研の運転時間積算変換器(形式:MWK)は、このような動力機器の積算稼働時間を容易に正確に把握するために特化した、ローコストな変換器です。

 図1に、MWK変換器のブロック図を示します。また、図2に入力と出力の関係を示します。

図1 運転時間積算変換器(形式:MWK)のブロック図

図2 入力と出力の関係

 MWKは入力がON状態の間、あらかじめ設定した計測単位時間毎にパルス信号を出力します。計測単位時間は前面のディップスイッチで0.1〜25.5時間(最小単位0.1時間)の範囲で設定できます。
 この出力パルスをカウンタで計測すれば、その動力機器の正確な積算運転時間が把握できます。
 たとえば計測単位時間を1時間と設定すれば、入力がONの状態であれば、1時間ごとに1パルスを出力しますから、カウンタの表示を時間の単位で直読できます。
 別売の遠隔監視・データロギング・イベント通報用Webコンポーネント「データマル®(形式:DL8*1と組合せることで、遠隔地にある動力機器を事務所のパソコンで遠隔監視したり、メールによる定期点検時期到来の自動通報システムを簡単に構築できます(図3)。

図3 「データマル®」との組合せ例

 別のアプリケーションとして、常に一定量を吐出するポンプのように、運転時間と吐出量が比例する定量ポンプの場合は、MWKで運転時間を積算すれば、そのポンプの吐出した積算流量が計測できます。
 図4に工場の排水流量をMWKで計測する例を示します。
 プラントや装置の安全運転のためには、それらを構成する機器の状態把握と定期点検は欠かせません。このような用途に、安価で簡単な解決策をご提供するのが「運転時間積算変換器MWK」です。

図4 工場の排水流量の測定例

*1 データマルは、最新の通信インフラを利用して測定データの遠隔監視や収集、またメールによるイベント通報などを行うことができるマルチユースの遠隔監視・データロギング・イベント通報用Webコンポーネントです。


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