エムエスツデー 2008年9月号

Interface & Network News 2
No.24

SCADALINXproにリプレースし、
既設のMsysNetシステムを機能アップさせた例

 今回は、すでにMsysNetテレメータシステムとして稼働中のシステムにおいて、I/O増設に伴い上位HMIをサーバ・クライアント形のHMIソフトウェア「SCADALINXpro(形式:SSPRO4)」にリプレースし、大幅に機能アップさせた事例についてご紹介します。

既設システム

 既設のMsysNetテレメータシステムでは、現場2箇所のデータをNTT専用回線を介して中央監視室へ伝送し、上位パソコンにMsysNet監視 操作ソフト(形式:SFDNを導入して監視していました(図1)。

図1 既設システムの構成

 今回、監視対象現場を1箇所増設するにあたり、下記2点の追加要望をお客様から受け、監視 操作ソフトSFDNからサーバ・クライアント形のHMIソフトウェアSCADALINXproへ置き換えました。

 (1)異常発生時にパソコンからEメール通報を行いたい。
 (2)既設PLCとも接続し、監視点数を追加したい。

 SCADALINXproは、標準機能としてアラームメール送信機能を装備しています。なお、アラームの重要度に対応して、メール送信先をグループ分けできるなど、充実した機能を実現しています。メールの内容としては、異常発生日時、異常信号の名称などを送ることができます。異常発生時には、プロバイダを経由して、Eメール通報を行い、各担当者の携帯電話へ異常内容をEメールで送信しています 注)

増設後のシステム構成

 今回、導入された遠隔監視システムの構成を図2に示します。

図2 増設後のシステム構成

 SCADALINXproと既設MsysNet機器とは、L-Bus(Ethernet)を介して接続されます。既設のNestBusをL-Busへ接続するため、通信ユニット(形式:72LB2を追加しています。既設PLCとの接続は、PLCにリンクユニットを増設することによって対応できます。SCADALINXproには、70種類にも上る各社PLCとの通信ドライバが標準で用意されているため、古いPLCとの接続も可能でした。

 従来製品であるSFDNとの間にソフトウェアの互換性がないため、新たにSCADALINXpro上でのプログラム作成が必要になります。しかし、既存システム中のMsysNet機器やPLCはそのまま流用して、SCADALINXproにリプレースすることが可能です。画面機能に関しては、グラフィック監視画面、アラーム監視画面、トレンド画面、バーグラフ画面、運転履歴画面などの画面を構築しパソコンで監視できます。また、帳票画面でレポートも管理し、毎日の帳票の自動出力なども、SCADALINXproで行っています。

 また、既設のSFDNに搭載されていた計器フェースプレートのイメージをSCADALINXproでも簡単に使用できるように、サンプルモデルを準備しています。

 以上のように、SCADALINXproを使えば、従来製品では実現不可能であったインターネット経由での遠隔監視やメール通報機能、その他様々な機能を使用して、さらに高機能な監視システムへと機能アップさせることが可能です。

本稿についての照会先:
(株)エム・システム技研
システム技術部 シス技1課(関西支店) TEL:06-6446-0040
システム技術部 シス技2課(関東支店) TEL:045-227-7366

注)詳細に関しては、『エムエスツデー』誌2008年7月号の「SCADALINXproの応用(5)−アラームメール−」をご参照ください。

MsysNetは(株)エム・システム技研の登録商標であり、SCADALINXproは同じく出願中の商標です。

【(株)エム・システム技研 システム技術部】


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